プロ野球シーズン、1年間のクライマックスである「日本シリーズ」。
日本シリーズはセ・リーグとパ・リーグの2リーグに分かれた1950年から毎年行われています。
当記事では日本シリーズのエピソード・歴代成績などを紹介します。
2024年のプロ野球のシーズンの流れについて、よろしければあわせてご覧ください。
プロ野球日本シリーズとは
プロ野球の日本シリーズとはレギュラーシーズン終了後に行われるセ・パ両リーグの代表チームの戦いです。
2006年までは各リーグの優勝チーム同士の対戦でしたが、2007年以降、「クライマックスシリーズ」を勝ち上がったチーム同士の対戦になりました。
☆クライマックスシリーズについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2024年の日本シリーズは、10月26日(土)からセ・リーグ本拠地で開幕します。
2024年の日本シリーズの日程など詳しくはこちらの記事をご覧ください。
日本シリーズの歴史・エピソード
これまでの日本シリーズのエピソードをいくつか紹介します。
1950年 初めての日本シリーズ
もともとプロ野球は1リーグ制でしたが、1949年にセ・リーグとパ・リーグの2リーグに分割しました。
それにより、1950年に初めて日本シリーズが行われました。対戦カードは「松竹ロビンズ(セ・リーグ)vs毎日オリオンズ(パ・リーグ)」でした。
第1回の1950年は各球団の本拠地ではなく1試合ごとに球場を変えて行われました。
1964年 初めてのナイトゲーム
日本シリーズは10月〜11月にかけて行われるので、寒さなどを考慮して第1回からデーゲームで行われていました。
ただ、1964年は10月に東京オリンピック開催されたため、日本シリーズが例年よりも早い10月1日〜10月10日に行われました。
10月上旬はまだ暖かいこともあり、全試合ナイトゲームで行われました。
ちなみにその時の対戦カードは「阪神vs南海(現ソフトバンク)」でした。
それ以降、日本シリーズでの関西に本拠地があるチーム同士の対戦は2023年の「阪神vsオリックス」まで、59年間ありませんでした。
1965年〜1973年巨人が9年連続日本一
過去には1965年から1973年まで読売ジャイアンツ(巨人)が9年連続で日本一になったこともありました。
いわゆる「V9(ブイナイン)」ですね。
それ以降、西武の3年連続日本一、ソフトバンクの4年連続日本一はありましたが、5年以上連続日本一となると1965年~1973年の巨人だけです。
1981年全試合同一球場(後楽園球場)
1981年の対戦カードは「巨人vs日本ハム」で、本拠地がいずれも「後楽園球場(当時)」でした。
全試合とも同一球場で行われました。
1988年に巨人と日本ハムは本拠地を後楽園球場から東京ドームへ移転しましたが、日本ハムが東京ドームを本拠地とする最終年の2003年まで一度もありませんでした。
次に「巨人vs日本ハム」の日本シリーズがあったのは日本ハムが札幌に移転した後の2009年でした。
2024年時点で、東京ドームも含め、全試合同一球場対決は行われていません。
1980年代西武黄金時代
1982年〜1994年まで11度のリーグ優勝、8度の日本一とこの期間、日本シリーズに出れなかったのは2度だけと無類の強さを誇っていました。
年 | パ・リーグ優勝 | 日本一 |
---|---|---|
1982 | 西武 | 西武 |
1983 | 西武 | 西武 |
1984 | 阪急(現:オリックス) | 広島 |
1985 | 西武 | 阪神 |
1986 | 西武 | 西武 |
1987 | 西武 | 西武 |
1988 | 西武 | 西武 |
1989 | 近鉄 | 巨人 |
1990 | 西武 | 西武 |
1991 | 西武 | 西武 |
1992 | 西武 | 西武 |
1993 | 西武 | ヤクルト |
1994 | 西武 | 巨人 |
1986年 初の現時点唯一の第8戦
1986年の「広島vs西武」の日本シリーズは第1戦で引き分けで、第2戦~第4戦で広島が3連勝で王手をかけたのち、第5戦~第7戦で西武が3連勝で五分に持ち込みました。
第7戦の時点で3勝3敗1分と決着がつかなかったので第8戦が行われました。第8戦では西武ライオンズの秋山幸二選手がバク宙ホームインをしたので有名です。
1995年から全試合ナイトゲーム
1993年までは1964年を除いて、全試合デーゲームで行われていました。
1994年に第3戦〜第5戦をナイトゲームで行われ、1995年からは全試合ナイトゲームで行われるようになりました。(2011年の第1戦は除く)
シーズン1位以外のチームの日本シリーズ出場
日本シリーズへの出場をかけた決戦として、パ・リーグでは2004年から「プレーオフ」が導入され、2007年からはセ・パ両リーグで「クライマックスシリーズ」が導入されました。
「プレーオフ」・「クライマックスシリーズ」が導入されたことで、レギュラーシーズン1位以外のチームが日本シリーズに進出する場合が出てきました。
これまで、レギュラーシーズン2位・3位のチームが日本シリーズに進出したのは、以下のチームです。
- 西武(2004年)
- ロッテ(2005年・2010年)
- ソフトバンク(2018年・2019年)
- 阪神(2014年)
- DeNA(2017年)
また、これまでレギュラーシーズン1位チーム以外のチーム同士の対戦の日本シリーズはありません。
現存する全球団日本一経験あり(2023年現在)
2013年に楽天イーグルスが日本一になったことで、現存する12球団すべてで1度は日本一を経験しています。
2013年の楽天イーグルスは田中将大投手の開幕から24連勝と、多分二度と破られることがない金字塔を打ち立てました。
2010年代ソフトバンクセ・リーグ全球団から日本一
ソフトバンクは2010年代に6度の日本シリーズ出場・日本一となりましたが、6度とも対戦相手が異なりました。
2018年・2019年がソフトバンクが2位、2014年阪神が2位、2017年がDeNA3位とクライマックスシリーズでリーグ優勝チーム以外が日本シリーズに進出したからではないでしょうか。
2020年全試合DH制採用の日本シリーズ
日本シリーズでは、パ・リーグチームのホームゲームだけDH制が採用されますが、2020年は出場した巨人・ソフトバンクの両チームの了承のもと、全試合DH制が採用されました。
結果はソフトバンクホークスの4連勝で、4年連続の日本一に輝きました。
2021年両チームとも前年最下位のチーム同士の対戦
2021年の日本シリーズはセ・リーグがヤクルト、パ・リーグがオリックスが出場しました。
両リーグともに前年最下位のチームで、最下位チーム同士の日本シリーズでの対戦は史上初でした。
結果はヤクルトスワローズの4勝2敗で2001年以来20年ぶりの日本一となりました。
2022年オリックス2敗1分けから4連勝で日本一
2022年は、2021年と同じく、「ヤクルトvsオリックス」の対戦カードとなりました。
第1戦・第3戦とヤクルトが勝ち、第2戦が引き分けで、3戦目までオリックスが未勝利でしたが、第4戦~第5戦とオリックス連勝しました。
第5戦終了時点で2勝2敗1分けで1986年以来の第8戦が行われる可能性が高かったですが、その後オリックスが第6戦、第7戦と連勝して日本一を決めました。よって、第8戦は行われませんでした。
2023年阪神38年ぶりの日本一
2023年は「阪神vsオリックス」の関西ダービーと呼ばれる対戦となりました。
関西を本拠地とするチームの対戦は、1度目の東京オリンピックがあった1964年に行われた「阪神vs南海(現ソフトバンク)」以来59年ぶりでした。
第7戦までもつれ、阪神タイガースが1985年以来38年ぶりの日本一となりました。
各チームの日本シリーズの出場回数・優勝回数
日本シリーズ出場回数(2023年まで)と日本一になった回数(2023年終了時点)、最後に日本シリーズに出場した年などをまとめてみました。(回数は前身球団も含みます。)
セ・リーグ
セ・リーグは9年連続日本一となった巨人が圧倒的に多いです。
チーム | 出場回数 | 最終出場年 | 日本一回数 | 最後に日本一 となった年 |
---|---|---|---|---|
読売ジャイアンツ | 36回 | 2020年 | 22回 | 2012年 |
中日ドラゴンズ | 10回 | 2011年 | 2回 | 2007年 |
東京ヤクルトスワローズ | 9回 | 2022年 | 6回 | 2021年 |
広島東洋カープ | 8回 | 2018年 | 3回 | 1984年 |
阪神タイガース | 7回 | 2023年 | 2回 | 2023年 |
横浜DeNAベイスターズ | 3回 | 2017年 | 2回 | 1998年 |
※他に松竹ロビンズが1回出場
パ・リーグ
パ・リーグは西武とソフトバンクが出場回数・日本一回数も多いです。
チーム | 出場回数 | 最終出場年 | 日本一回数 | 最後に日本一 となった年 |
---|---|---|---|---|
埼玉西武ライオンズ | 21回 | 2008年 | 13回 | 2008年 |
福岡ソフトバンクホークス | 18回 | 2020年 | 11回 | 2020年 |
オリックス・バファローズ | 15回 | 2023年 | 5回 | 2022年 |
北海道日本ハムファイターズ | 7回 | 2016年 | 3回 | 2016年 |
千葉ロッテマリーンズ | 6回 | 2010年 | 4回 | 2010年 |
東北楽天ゴールデンイーグルス | 1回 | 2013年 | 1回 | 2013年 |
※他に近鉄バファローズが4回出場
日本シリーズから一番遠ざかっている球団
2022年時点で日本シリーズの出場から1番遠ざかっているのが、2008年に出場した埼玉西武ライオンズです。
プロ野球日本一から一番遠のいている球団
2020年シーズン終了時点で、プロ野球日本一から一番遠ざかっているのは、意外にも広島カープで1984年です。
2000年以降の日本シリーズの歴代戦績
ここでは、2000年以降の日本シリーズの歴代戦績をまとめました。
2000年代の日本シリーズの戦績
年 | セ・リーグ | 結果 (セ・リーグの勝敗) | パ・リーグ |
---|---|---|---|
2000 | 巨人 | 4勝2敗 | ダイエー (現ソフトバンク) |
2001 | ヤクルト | 4勝1敗 | 近鉄 |
2002 | 巨人 | 4勝 | 西武 |
2003 | 阪神 | 3勝4敗 | ダイエー |
2004 | 中日 | 3勝4敗 | 西武 |
2005 | 阪神 | 4敗 | ロッテ |
2006 | 中日 | 1勝4敗 | 日本ハム |
2007 | 中日 | 4勝1敗 | 日本ハム |
2008 | 巨人 | 3勝4敗 | 西武 |
2009 | 巨人 | 4勝2敗 | 日本ハム |
太字が日本一チーム
2010年代の日本シリーズの戦績
年 | セ・リーグ | 結果 (セ・リーグの勝敗) | パ・リーグ |
---|---|---|---|
2010 | 中日 | 2勝4敗1分 | ロッテ |
2011 | 中日 | 3勝4敗 | ソフトバンク |
2012 | 巨人 | 4勝2敗 | 日本ハム |
2013 | 巨人 | 3勝4敗 | 楽天 |
2014 | 阪神 | 1勝4敗 | ソフトバンク |
2015 | ヤクルト | 1勝4敗 | ソフトバンク |
2016 | 広島 | 2勝4敗 | 日本ハム |
2017 | DeNA | 2勝4敗 | ソフトバンク |
2018 | 広島 | 1勝4敗1分 | ソフトバンク |
2019 | 巨人 | 0勝4敗 | ソフトバンク |
太字が日本一チーム
2020年代の日本シリーズ成績
年 | セ・リーグ | 結果 (セ・リーグの勝敗) | パ・リーグ |
---|---|---|---|
2020 | 巨人 | 0勝4敗 | ソフトバンク |
2021 | ヤクルト | 4勝2敗 | オリックス |
2022 | ヤクルト | 2勝4敗1分 | オリックス |
2023 | 阪神 | 4勝3敗 | オリックス |
太字が日本一チーム
過去10年(2014~2023)はパ・リーグが優位
直近10年の日本シリーズではセ・リーグが2回、パ・リーグが8回とパ・リーグが圧倒的に日本一になる回数が多いです。
2017年~2020年のソフトバンクの4年連続日本一となったのは特に印象的です。
ただ、直近3年間は2021年のヤクルト、2023年の阪神と、2度セ・リーグが日本一となっています。
リーグ2位・3位からの日本シリーズ出場
2007年のクライマックスシリーズ導入後、リーグ2位・3位のチームが日本シリーズに出ているのは、2007年の中日(2位)、2010年のロッテ(3位)、2014年の阪神(2位)、2017年のDeNA(3位)、2018・2019年ソフトバンク(いずれも2位)の計5チームです。
2010年のロッテは唯一リーグ3位から日本一を達成しました。
また、ソフトバンクは2年連続で2位からの日本シリーズ進出し、日本一になっています。
第4戦で終了した日本シリーズ
日本シリーズはどちらかのチームが4連勝すると、第4戦で終了します。
2019年・2020年の日本シリーズではソフトバンクが巨人に4連勝したことで、第4戦で終了しました。
第7戦までもつれた日本シリーズ
2022年・2023年の日本シリーズでは、第7戦までもつれました。
2022年は第1戦と第3戦がヤクルトが勝利、第2戦が引き分けとヤクルト有利の状態で進みましたが、第4戦からオリックス・バファローズが2連勝して、2勝2敗1分で第6戦に。
1986年以来の日本シリーズ第8戦での決着も現実味を帯びる中、オリックスが2連勝したことで、第7戦でオリックスの日本一が決まりました。
2023年は第1戦が阪神が勝利、第2・3戦がオリックスが勝利、第4・5戦が阪神が勝利して、阪神が王手をかけました。
第6戦は2024年シーズンから大リーグに挑戦する山本由伸投手が完投勝利して、決着は第7戦となりました。
第7戦は、5回までに阪神が6点いれて、38年ぶりの日本一を決めました。
プロ野球日本シリーズの歴史まとめ
日本シリーズは1950年からこれまで74回行われ、セ・パ両リーグの対戦成績はほぼ互角です。
2023年の日本シリーズは阪神タイガースが38年ぶりの日本一となりました。
というわけで、今回は日本シリーズの歴史・エピソードを紹介してまいりました。
お時間があればあわせてどうぞ
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