【2023-2024年版】プロ野球FA(フリーエージェント)制度、取得までの年数、FA移籍を解説

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プロ野球FA

日本シリーズが終わると、FA(フリーエージェント)を取得した選手の動向、外国人選手の去就、契約更改などストーブリーグが始まりますね。

プロ野球のFA制度って意外とわかりづらいですよね⁉当記事では

  • プロ野球のFA制度
  • FA取得までの年数
  • FA移籍スケジュール・ルール

などをメインになるべくわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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プロ野球のFA(フリーエージェント)とは

プロ野球では一定年数一軍登録されることでFA(フリーエージェント)の権利を取得します。

フリーエージェントとは、国内外の球団と自由に契約できる選手のことを指します。

FAは権利を取得した選手が行使することで、現在所属している球団以外とも契約交渉ができます

FAの権利できる期間は日本シリーズ終了日の翌日以降7日以内(土日祝日は除く)で、所属球団に行使する意思を伝える必要があります。

2023年は11月6日(月)〜11月14日(火)でした。

国内FAと海外FA

FAには契約交渉ができる球団の違いで国内FA海外FAの2種類あります。

  • 国内FA・・・日本国内のプロ野球全球団
  • 海外FA・・・日本国内+メジャーリーグなど海外球団

FA取得までの年数

FA取得までの年数

国内FA海外FAでは、FAを取得までに必要な年数が異なります。

国内FA取得に必要な年数

国内FAは一律何年必要と決まっているわけではなく、入団した年度や高校卒、大学・社会人出身で異なります。

出身2006年までの
ドラフト入団
2007年以降の
ドラフト入団
高校生8年8年
大学生・社会人8年7年

一度、FA権を行使すると(海外FAを含めて)最低4年はFA権の再取得はできません。

海外FA取得に必要な年数

海外球団との交渉も可能な海外FAの取得に必要な期間は一律で9年です。
ただし、国内FAの権利行使した選手は除きます。

FAの再取得に必要な年数

また、一度FAを行使した選手が再度FA権を取得するまでの期間は一律4年です。

その場合、国内・海外のすべての球団と自由に交渉ができます。

FAを取得するために必要な年数計算の方法

FA権を取得するために必要な年数は次のように計算されます。

  • 1軍の出場登録が1シーズン145日以上で、1年とカウント。
  • 145日満たない場合は他のシーズンの登録日数と合算して145日以上で、1年とカウント

例年、プロ野球開幕戦からレギュラーシーズン終了まで約180日ですので、シーズンの約8割の期間、1軍出場登録が必要です。また、1年間で145日を超えて出場しても、145日しかカウントされません。

1軍出場登録が条件となるので、代打や代走、守備固めメインの控え野手、登板機会の少ない投手であっても、1軍出場登録され続けれればFA権を取得できます。

また、CS(クライマックスシリーズ)も出場登録日数にカウントされるので、CS出場は選手にとって有利に働きます。

また、FA取得までの日数計算では故障者特例措置などいくつか特例があります。

  • 故障者特例
  • 投手の登録日数加算に関する特例措置
  • クライマックスシリーズ特例措置

それぞれ詳しくみていきましょう。

故障者特例措置

グラウンド内で故障(ケガ)をして登録日数が145日満たさない場合、登録抹消日から2軍公式戦に出場するまでの期間最大60日加算されます。

故障者特例措置を受けるためには、前年度の登録日数が145日満たしていることが必要となります。

また、故障者特例措置が適用された翌シーズンは145日満たさない場合でも適用されません。

投手の登録日数加算に関する特例措置

投手の登録日数加算に関する特例措置は先発ローテーション投手を対象とした制度で、開幕時とオールスターの前後が対象となります。

加算される日数は以下のとおりです。

  • 開幕時:開幕日から最初の登板日まで
    (開幕日から7日以内の1軍登録されること)
  • オールスター時:登録抹消日から1軍再登録前日まで
    (オールスター前後7日間で抹消・再登録されること)

それぞれ詳しくみてみましょう。

クライマックスシリーズ特例措置

レギュラーシーズン最終日からクライマックスシリーズ初戦まで10日以上間が空く場合、規定の日までに再登録されればその期間登録扱いとなります。

クライマックスシリーズの期間も出場登録日数にカウントされます。

クライマックスシリーズに出場したチームに所属している選手のがFAを取得するのに有利です。

FA移籍のスケジュール・ルール

FA移籍のスケジュール・ルール

FA移籍の流れを2023年の日程とあわせてまとめてみました。

STEP
FA有資格者が公示

日本野球機構(NPB)から両リーグの公式戦終了日の2日後に公示されます。2023年は10月23日(月)でした。公式戦はクライマックスシリーズも含まれます。

STEP
FA権行使期間

FA権が行使できるのは日本シリーズ終了後翌日から土日祝日を除く7日間で、2023年は11月6日(月)〜11月14日(火)でした。

STEP
FA宣言選手の公示

NPBからFA権行使期間終了日の翌日に公示されます。2023年は11月15日(水)でした。

STEP
各球団との交渉

FA宣言選手の公示の翌日以降、FA権を行使した選手は各球団と交渉可能となります。

FA宣言した選手が各球団との交渉期限はありませんが、年内に移籍先もしくは残留が決まるケースが多いです。

その他FAのルール

FA宣言した選手が受け取れる年俸や何人まで選手を獲得できるか気になりますよね⁉

ここでは次の内容を説明します。

  • FA宣言した選手に支払われる年俸
  • 1球団がFA宣言した選手を獲得できる人数
  • FA選手の年俸ランク
  • FAを使って海外球団へ移籍する場合

それぞれ詳しくみてみましょう。

FA宣言した選手に支払われる年俸

FA権を行使した選手は多くの場合、複数年契約が結ばれます。

国内FAの場合、年俸の1年目は原則として旧年俸が上限です。つまり1年目は現状維持が上限です。

2年目以降は上限はありませんので、1年目の成績にかかわらず年俸が上がるケースがほとんどです。

年俸の他に契約金と出来高が支払われます。

1球団がFA宣言した選手を獲得できる人数

FAで獲得できる人数は原則1球団2名までです。
(FA宣言した選手が多い場合は上限が3名以上となることもあります。)

旧年俸がCランク(旧年俸で11位以下)の選手は人数の上限に含まれません。

FA選手の年俸ランク

FA選手は旧年俸によって、A~Cランクに分けられます。
ランクに応じて前に所属していた球団への補償内容が変わります。

ランク年俸順位
(日本人選手)
Aランク1~3位
Bランク4~10位
Cランクそれ以外

A・Bランクの選手の場合、「金銭補償」か「金銭+人的補償」が必要となります。Cランクの選手の場合はこれらの補償はありません。

FAを使って海外球団へ移籍する場合

海外FAを使ってメジャーリーグなどの海外球団へ移籍する場合は、国内の球団への移籍とは異なり、移籍先の人的・金銭補償は発生しません

そのため多くの球団はメジャーリーグへの移籍を希望する主力選手に対し、譲渡金が入る「ポスティングシステム」を認めるケースがあります。

「ポスティングシステム」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

プロ野球FAによる人的・金銭補償

プロ野球FAによる人的・金銭補償

A・Bランクの選手を獲得する場合、「人的補償」と「金銭補償」があります。

「金銭補償」は必須で、「人的補償」は任意ですが、近年では「金銭補償」+「人的補償」の組みあわせが多いです。

金銭補償の額

金銭補償の金額は1回目にFA取得した場合と2回目以降で異なります。

初回AランクBランクCランク
金銭補償旧年俸の
0.8倍
旧年俸の
0.6倍
なし
金銭補償+
人的補償
旧年俸の
0.5倍
旧年俸の
0.4倍
なし
2回目以降AランクBランクCランク
金銭補償旧年俸の
0.4倍
旧年俸の
0.3倍
なし
金銭補償+
人的補償
旧年俸の
0.25倍
旧年俸の
0.2倍
なし

FAによる人的補償の決め方

FAを行使して移籍した場合の旧球団への補償として人的補償を選んだ場合、誰でも選べるわけではありません。
人的補償から選ばれないようにプロテクトを28人かけられます。

プロテクトから外れた選手のリストが旧球団に渡り、その中から選ばれます。

以下の選手は人的補償の対象外となります。

  • その年のドラフト会議で指名された新人選手
  • 外国人枠適用選手
  • FA宣言残留選手

FAで獲得した球団が作成したプロテクトリストは非公開ですが、主力選手や若手選手に対してプロテクトをかける場合が多いようです。

プロ野球のFA(フリーエージェント)制度まとめ

プロ野球のFA(フリーエージェント)制度まとめ

FA(フリーエージェント)制度は何となくわかっていても、細かいルールや仕組みは知らないことも多いのではないでしょうか。

FAはプロ野球選手が長い期間、1軍登録されて得た権利ですので、権利を取得した選手は後悔のない選択をしてほしいといちプロ野球ファンとして思っています。

今回はプロ野球のFA制度、FA取得までに必要な年数、FA移籍のスケジュールなどをメインに解説しました。

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