プロ野球では、3月28日の公式戦開幕を前に、2月から春季キャンプが始まり、その後、2月下旬から3月下旬にかけてオープン戦が開催されます。
オープン戦は、レギュラーシーズン(公式戦)が始まる前に行われる非公式試合で、各選手の最終調整の場として位置づけられています。
また、春季キャンプ中には、オープン戦の他に練習試合が行われます。練習試合もオープン戦も、レギュラーシーズンに向けて他球団と対戦する試合ですが、それぞれ分けられています。
当記事では、オープン戦の内容・日程などを解説しつつ、オープン戦と練習試合との違いを解説します。
オープン戦とは

プロ野球のオープン戦は、公式戦開幕前に行われる非公式試合で、各球団の選手たちがシーズンに向けて調整を行う大切な場です。
2025年のオープン戦は、2月22日(土)から3月23日(日)までの約1か月間にわたり開催されます。
2月下旬はまだ春季キャンプの期間中のため、試合は各球団のキャンプ地で行われます。
その後、3月に入ると各球団の本拠地に移動して試合が行われます。
3月に入っても、朝夕の冷え込みが残るため、オープン戦は平日・土日を問わず、デーゲームで開催されることが多いのが特徴です。
オープン戦は、レギュラーシーズン(公式戦)と同様にNPB(日本野球機構)の管轄下で行われます。
また、ルールも公式戦とほぼ同じで、球場の雰囲気もレギュラーシーズンに近いものがあります。
◎2月中に行われる春季キャンプについてはこちらの記事をご覧ください。
オープン戦の主なルール

ここではプロ野球オープン戦の主なルール紹介します。
対戦カードはセ・パ両リーグ混在
オープン戦では、「セ・リーグvsパ・リーグ」といった形で、セ・リーグ、パ・リーグの垣根を越えて対戦カードが組まれます。
公式戦では5月下旬~6月中旬に行われる「セ・パ交流戦」にしか見られない貴重な対戦カードの試合が見られます。
セ・リーグチームでもDH制採用可能
オープン戦はDH制の採用の有無は試合ごとに決められます。片方のチームだけDH制採用するということも可能です。
セ・リーグチーム同士の対戦でも、打者に打席数を与える、ピッチャーが予定されている投球回投げさせるため、DH制が採用された試合が見れられることがあります。
ただし、セ・リーグ球団の場合、オープン戦の終盤になると公式戦にあわせてDH制を採用しないことが多いです。
試合は9回まで行い、延長戦はなし
オープン戦は、レギュラーシーズン同様に試合は9回まで行われます。スタメンに入る選手も9名となります。
ただし、9回終了時点で同点だった場合、延長戦に入らず引き分けとなります。
オープン戦が調整の場であり、結果(勝敗)よりも内容を見る傾向があります。
また、オープン戦の勝敗や個人成績は、レギュラーシーズン(公式戦)には加算されません。
育成選手の出場も可能
オープン戦は、1軍公式戦ではありませんので、育成選手も出場可能です。
実際にオープン戦を見ると、普段見られない3桁の背番号の選手(育成選手)のプレーが見られます。
育成選手にとっては、支配下契約に向けた絶好のアピールの場となります。
実際、オープン戦でよい結果・内容を残した場合、開幕前に支配下契約を勝ち取るケースが多いです。
(2024年は7球団13名がオープン戦中や後に支配下契約に移行)
入場にはチケットが必要
オープン戦は非公式試合ですが、公式戦同様に観戦する場合、チケットが必要となります。
チケットの料金は通常料金よりも安いので、いつもより上のランクの座席でも見やすくなります。
オープン戦のチケットは、公式戦と同様に各球団の公式サイトやチケット販売サービスで購入できます。
オープン戦と練習試合の違い
プロ野球の春季キャンプ期間中にはオープン戦の他に、実戦感覚を養うため、他のチームとの練習試合が行われます。
ここではオープン戦と練習試合の違いをまとめました。
- NPBの管轄下で行われる非公式試合
- 対戦カードはプロ野球12球団内で行われる
- 試合のルールは公式戦とほぼ同じ
- シーズン同様に観戦にはチケットが必要
- 各球団が任意に設定する試合
- プロ野球12球団だけでなく、社会人や韓国、台湾などの海外チームと対戦が組まれることもある
- 試合のルールは両チームで任意に変更可能
- 入場無料
オープン戦は、NPBの管轄下で行われることもあり、公式戦とそれほど変わりません。
一方、練習試合は、7回打ち切りや打者の人数を10人や11人にしたりといった特別ルールが採用されることがあります。
また、練習試合はあくまでも練習を目的としていますので、観戦するのに料金はかかりません。
球春みやざきベースボールゲームズ
毎年2月下旬に宮崎でキャンプを行っている国内外のチームが対戦する「球春みやざきベースボールゲームズ」が行われます。
2025年の参加するチームは以下のチームです。
- 福岡ソフトバンクホークス
- 千葉ロッテマリーンズ
- オリックス・バファローズ
- 埼玉西武ライオンズ
- 斗山ベアーズ(韓国)
- ロッテ・ジャイアンツ(韓国)
2025年は、2月26日(水)~3月2日(日)の間、計12試合行われます。
≫2025球春みやざきベースボールゲームズ 試合日程(NPB公式サイト)
球春みやざきベースボールゲームズは入場無料で、ルールは公式戦やオープン戦に近い形で行われます。
オープン戦のみどころ

オープン戦のみどころをまとめて紹介します。
若手選手の活躍
オープン戦でよい結果を残した若手選手は、開幕1軍、野手の場合、開幕スタメン、先発投手の場合、開幕ローテーションに入るチャンスもあります。
また、オープン戦をきっかけに、レギュラーシーズンでブレイクする選手も多くいます。シーズン開始前に注目選手を見つける楽しさがあります。
ポジション争い
オープン戦では、1つのポジションを複数の選手で競わせことが多いです。
また、打順も開幕に向けていろいろ試す段階ですので、シーズンに向けたチーム戦略を予測する楽しさがあります。
多くの投手が見られる
オープン戦の前半では、先発投手も登板回数が2~3回と普段より少ないので、多くの投手が見られます。
試合によっては、1試合で2人の先発投手が登板するなど、普段では見られない光景が見られます。
地方球場での開催
2月中は沖縄や宮崎の春季キャンプ地で、3月に入ると静岡や長崎など普段試合の行われない球場で試合が行われることがあります。
ただし、近年では3月に入ってからの試合を各球団の本拠地で行うケースが増えています。
引退試合・引退セレモニー
オフシーズンに引退を発表した選手の引退試合、引退セレモニーが行われることもあります。
これまで活躍した選手の最後の勇姿を目に焼き付けるのもいいのではないでしょうか。
2025年 プロ野球オープン戦日程

2025年のオープン戦の日程をまとめました。
日程 | 対戦カード | 会場 | 開始時間 |
---|---|---|---|
2月22日(土) | 楽天ー阪神 | 金武町ベースボール スタジアム | 13:00 |
中日ーロッテ | Agreスタジアム北谷 | 14:00 | |
DeNAー巨人 | ユニオンですから スタジアム宜野湾 | 13:00 | |
ヤクルトー日本ハム | ANA BALLPARK 浦添 | 13:00 | |
ソフトバンクーオリックス | アイビースタジアム | 13:00 | |
2月23日(日) | 日本ハムー楽天 | Enagicスタジアム名護 | 13:00 |
巨人ー広島 | 沖縄セルラー スタジアム那覇 | 13:00 | |
中日ー阪神 | Agreスタジアム北谷 | 13:30 | |
ヤクルトーDeNA | ANA BALLPARK 浦添 | 13:00 | |
オリックスーソフトバンク | SOKKENスタジアム | 13:00 | |
2月24日(月) | 巨人ーロッテ | 沖縄セルラー スタジアム那覇 | 13:00 |
中日ー広島 | Agreスタジアム北谷 | 13:30 | |
3月1日(土) | 楽天ー広島 | 倉敷 | 13:00 |
巨人ーヤクルト | 東京ドーム | 18:00 | |
中日ーDeNA | バンテリンドーム | 14:00 | |
3月2日(日) | 楽天ー広島 | 倉敷 | 13:00 |
巨人ーヤクルト | 東京ドーム | 14:00 | |
中日ーDeNA | バンテリンドーム | 13:30 | |
3月4日(火) | DeNAーロッテ | 横浜スタジアム | 13:00 |
オリックスー楽天 | 京セラドーム大阪 | 14:00 | |
阪神ー中日 | 甲子園球場 | 13:00 | |
ソフトバンクーヤクルト | みずほPayPayドーム | 18:00 | |
3月5日(水) | 日本ハムー西武 | エスコンフィールド | 18:00 |
DeNAー広島 | 横浜スタジアム | 13:00 | |
オリックスー楽天 | 京セラドーム大阪 | 12:00 | |
阪神ー中日 | 甲子園球場 | 13:00 | |
ソフトバンクーヤクルト | みずほPayPayドーム | 18:00 | |
3月6日(木) | 日本ハムー西武 | エスコンフィールド | 18:00 |
ロッテー広島 | ZOZOマリンスタジアム | 13:00 | |
3月7日(金) | ロッテーソフトバンク | ZOZOマリンスタジアム | 13:00 |
オリックスー巨人 | 京セラドーム大阪 | 18:00 | |
阪神ーDeNA | 甲子園球場 | 13:00 | |
3月8日(土) | 日本ハムー中日 | エスコンフィールド | 14:00 |
楽天ー西武 | 静岡 | 13:00 | |
ロッテーソフトバンク | ZOZOマリンスタジアム | 13:00 | |
オリックスー巨人 | 京セラドーム大阪 | 14:00 | |
阪神ーDeNA | 甲子園球場 | 13:00 | |
広島ーヤクルト | マツダスタジアム | 13:00 | |
3月9日(日) | 日本ハムー中日 | エスコンフィールド | 13:00 |
楽天ー西武 | 静岡 | 13:00 | |
ロッテーソフトバンク | ZOZOマリンスタジアム | 13:00 | |
オリックスーDeNA | 京セラドーム大阪 | 14:00 | |
阪神ー巨人 | 甲子園球場 | 13:00 | |
広島ーヤクルト | マツダスタジアム | 13:00 | |
3月11日(火) | 楽天ーヤクルト | 静岡 | 13:00 |
西武ー阪神 | ベルーナドーム | 13:00 | |
ロッテー日本ハム | ZOZOマリンスタジアム | 13:00 | |
DeNAー広島 | 横浜スタジアム | 13:00 | |
中日ーオリックス | バンテリンドーム | 18:00 | |
ソフトバンクー巨人 | 長崎 | 14:00 | |
3月12日(水) | 楽天ーヤクルト | 静岡 | 13:00 |
西武ー阪神 | ベルーナドーム | 13:00 | |
ロッテー日本ハム | ZOZOマリンスタジアム | 13:00 | |
DeNAー広島 | 横浜スタジアム | 13:00 | |
中日ーオリックス | バンテリンドーム | 18:00 | |
ソフトバンクー巨人 | みずほPayPayドーム | 18:00 | |
3月13日(木) | ソフトバンクー巨人 | みずほPayPayドーム | 18:00 |
3月14日(金) | ヤクルトーオリックス | 神宮球場 | 13:00 |
DeNAー楽天 | 横浜スタジアム | 13:00 | |
中日ー西武 | 小牧 | 13:00 | |
広島ーロッテ | マツダスタジアム | 13:30 | |
ソフトバンクー日本ハム | みずほPayPayドーム | 18:00 | |
3月15日(土) | ヤクルトーオリックス | 神宮球場 | 13:00 |
DeNAー楽天 | 横浜スタジアム | 13:00 | |
中日ー西武 | バンテリンドーム | 14:00 | |
広島ーロッテ | マツダスタジアム | 13:00 | |
ソフトバンクー日本ハム | みずほPayPayドーム | 14:00 | |
3月16日(日) | ヤクルトーオリックス | 神宮球場 | 13:00 |
DeNAー楽天 | 横浜スタジアム | 13:00 | |
中日ー西武 | バンテリンドーム | 13:30 | |
広島ーロッテ | マツダスタジアム | 13:00 | |
ソフトバンクー日本ハム | みずほPayPayドーム | 13:00 | |
3月18日(火) | 日本ハムー巨人 | エスコンフィールド | 15:00 |
西武ー広島 | ベルーナドーム | 13:00 | |
ロッテー楽天 | ZOZOマリンスタジアム | 13:00 | |
ヤクルトー阪神 | 神宮球場 | 13:00 | |
DeNAーオリックス | 横浜スタジアム | 13:00 | |
ソフトバンクー中日 | みずほPayPayドーム | 18:00 | |
3月19日(水) | 日本ハムー巨人 | エスコンフィールド | 14:00 |
西武ー広島 | ベルーナドーム | 13:00 | |
ロッテー楽天 | ZOZOマリンスタジアム | 13:00 | |
ヤクルトー阪神 | 神宮球場 | 13:00 | |
ソフトバンクー中日 | みずほPayPayドーム | 18:00 | |
3月20日(木) | DeNAーオリックス | 横浜スタジアム | 13:00 |
3月21日(金) | 日本ハムーヤクルト | エスコンフィールド | 18:00 |
西武ーDeNA | ベルーナドーム | 18:00 | |
巨人ーロッテ | 東京ドーム | 18:00 | |
中日ー楽天 | バンテリンドーム | 18:00 | |
オリックスー阪神 | 京セラドーム | 18:00 | |
ソフトバンクー広島 | みずほPayPayドーム | 18:00 | |
3月22日(土) | 日本ハムーヤクルト | エスコンフィールド | 14:00 |
西武ーDeNA | ベルーナドーム | 18:00 | |
巨人ーロッテ | 東京ドーム | 14:00 | |
中日ー楽天 | バンテリンドーム | 14:00 | |
阪神ーオリックス | 京セラドーム | 14:00 | |
ソフトバンクー広島 | みずほPayPayドーム | 13:00 | |
3月23日(日) | 日本ハムーヤクルト | エスコンフィールド | 13:00 |
西武ーDeNA | ベルーナドーム | 14:00 | |
巨人ーロッテ | 東京ドーム | 14:00 | |
中日ー楽天 | バンテリンドーム | 13:30 | |
オリックスー阪神 | 京セラドーム | 13:00 | |
広島ーソフトバンク | マツダスタジアム | 14:00 |
オープン戦についてよくある質問

プロ野球のオープン戦についてよくある質問をまとめました。
オープン戦の目的は何ですか?
オープン戦は公式戦の前に行われる試合で、選手の調整や戦力確認、チーム戦術の確認を目的としています。
オープン戦の試合結果は公式記録に残りますか?
オープン戦の結果や成績は公式戦の記録には含まれません。
開幕戦とオープン戦の違いは?
開幕戦は、3月下旬に行われるレギュラーシーズン(ペナントレース)の第1戦、オープン戦は、レギュラーシーズン開幕前に行われる調整試合です。
オープン戦を見るにはチケットが必要ですか?
はい、オープン戦もレギュラーシーズン同様に、試合を観戦するためにチケットは必要です。
ただ、チケットの代金は、レギュラーシーズンよりも割安な料金設定をされていることがほとんどです。
オープン戦の試合はテレビやネットで観られますか?
オープン戦はBS・CS放送でテレビ中継、各種ネット配信サービスで視聴できます。
オープン戦では延長戦ありますか?
オープン戦は9回終了時点で同点となった場合でも延長戦に入りません。
ちなみに、公式戦はセ・リーグ、パ・リーグともに同点の場合、最大12回まで延長戦が行われます。
オープン戦で主力選手は出場しますか?
オープン戦でも主力選手も出場しますが、公式戦に比べて若手選手や控え選手が出場する機会が多いです。
雨天中止になった場合、振替試合はありますか?
オープン戦は雨天中止の場合、振替試合は基本的に行われません。
今回はプロ野球のオープン戦について、練習試合との違いを含めて解説しました。
オープン戦からプロ野球をたのしみましょう。
お時間があればあわせてどうぞ
