近年、育成出身選手の活躍が注目を集めていますが、「育成契約選手」と「支配下契約選手」の違いは意外とわかりにくいものです。
この記事では、プロ野球における育成選手制度や、支配下契約との違いをわかりやすく解説します。
育成選手について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
プロ野球育成制度とは

育成選手制度は2005年に導入された若手の有望な選手の発掘と育成を目的として導入されました。
制度が導入された2005年の時点では4球団6名しか在籍していませんでしたが、2025年現在、12球団すべてに在籍しています。
育成契約制度があることで、足が速いとか、肩が強いとか、一芸に秀でているが、他の能力がまだ未完成な選手でもプロ野球の世界に挑戦できます。
また、能力はあるけど、手術などを受けてリハビリ期間が必要な場合でも、育成選手なら枠を気にせずに契約が可能なので、球団としては多様な選手を獲得できます。
育成選手人数は2025年公式戦全日程終了時点で一番少ない楽天が8人、一番多いソフトバンクが51人とチームによって人数に差があります。
育成ドラフト
各チームが新規獲得する場合、ドラフト会議(育成ドラフト)での指名が必要です。
直近(2026年)のドラフト会議では12球団すべてが参加しています。
指名できる人数に制限は特に設けておらず、球団によってまちまちです。
ここ数年指名が多いのは巨人、ソフトバンク、オリックス、西武の4球団。
2021年・2022年のドラフトではソフトバンクは史上最多の14人もの選手を指名しています。
プロ野球のドラフト会議について詳しくは以下の記事をチェックしてください。
育成契約選手と支配下契約選手との違い

プロ野球選手には1軍公式戦に出場可能な「支配下登録選手」と出場できない「育成契約選手」がいます。
支配下登録選手と育成選手の違いを表にまとめました。
| 項目 | 支配下登録 | 育成選手 |
|---|---|---|
| 出場できる試合 | 1軍公式戦も含めて全試合 | ファーム公式戦 オープン戦・練習試合 |
| 背番号 | 1桁もしくは2桁 | 3桁 |
| 契約金の支給 | あり | なし (支度金はあり) |
| 最低年俸 | 440万円 (1軍は1,600万円) | 230万円 |
| 契約期間 | 2月1日から11月30日 | 1月1日から12月31日(通年) |
| 人数 | 70名まで | 上限なし |
支配下登録選手と育成選手の大きな違いの一つとして、多くの観客が入る1軍戦に出られます。
支配下登録選手の上限は1チーム70名までで、それ以上は育成選手でしか契約できません。
育成選手はファーム公式戦に出られるのは5名まで
育成契約選手は1軍公式戦には出場できず、ファーム(2軍)公式戦や練習試合のみ出場できます。
ファーム公式戦に出られるのは1試合5人までなので、育成選手の人数が多い球団はファームの試合に出るのも競争です。
2軍の下に3軍や4軍を設けている球団は、アマチュアチームなどと試合を組み、実戦経験を積ませている場合もあります。
背番号は支配下が1桁か2桁、育成は3桁
支配下登録の選手は、1桁または2桁の背番号をつけます。
野手は1桁、投手は10番台を、主力選手や期待の若手がつけることが多いのが特徴です。
一方、育成選手の背番号は3桁です。多くの球団では100番台を使っていますが、最近では巨人やオリックスのように「001」「007」といった“0xx”番を採用する球団も増えてきました。
また、中日では育成選手に200番台が割り当てられています。
契約金
支配下選手の場合、入団時に契約金が支給されます。有望な選手だと、1億円という場合も多く、出来高払いがつくこともあります。
一般的にはドラフトの順位が高いほど、契約金が高くなる傾向があります。
一方、育成選手には契約金がなく、代わりにプロ野球選手になる準備資金として、支度金が支給されます。
支度金の金額は300万円の場合が多く、支配下登録選手がもらう契約金に比べ格安です。
最低年俸
支配下登録の最低年俸は440万円で、1軍登録選手の最低年俸が1,600万円です。
年俸1,600万円未満の選手は、現在の年俸との差額が日割りで支払われます。
一方、育成選手の最低年俸は230万円とされていて、多くの選手の年俸が230〜400万円程度といわれています。
契約期間
支配下選手の契約期間は春季キャンプ初日の2月1日〜11月30日です。
12月、1月は契約期間外のため、監督・コーチが選手に指導することはできません。
そのため、キャンプ前の1月に行われる練習は自主トレという形で選手たちだけで行われます。(新人合同自主トレは除く)。
自主トレ期間中は各球団のユニフォームではなく、トレーニングウェアやジャージなどを着て行います。
一方、育成選手は、1月1日〜12月31日が契約期間です。巨人など1月の新人合同自主トレ期間中に育成選手の練習を行うこともあります。
育成契約に降格になるケース
支配下登録できる人数の上限が70名と限られているため、ケガや手術などで当面一軍への出場が見込めない場合、育成契約に降格し、枠を空けることがあります。
ケガが完治し、状態を上げて、1軍戦力として認められると、支配下復帰となります。
また、成績不振での戦力外でも即引退ではなく、支配下復帰に向けて再チャンスを与えられるケースもあります。
支配下契約選手になるには

支配下契約選手になるには、2軍での試合や春・秋のキャンプでの活躍が大事です。
特に有望な選手は、春のキャンプで1軍(A組)に呼ばれることが多く、キャンプからオープン戦までいい調子を続けられれば、支配下登録のチャンスが広がります。
ただし、支配下に昇格できるのは毎年7月31日までで、チームごとに登録できる人数は最大70人まで。枠がいっぱいだと、どんなに活躍しても昇格は難しくなります。
昇格のタイミングは、オープン戦が終わった開幕直前や、1軍の選手がケガをしたり不調だったりして補強が必要なときが多いです。入団してから2~3年目で支配下選手になる選手も多く見られます。
プロ野球育成契約選手まとめ

今回はプロ野球の育成契約についてまとめてみました。
育成契約制度は若手選手の発掘と育成が目的でしたが、手術などのリハビリや打撃投手やブルペン捕手などのチームスタッフの一時的な現役復帰など本来の目的からかけ離れている場合も多いです。
また、育成選手のままでは1軍戦には出られません。
支配下登録されずに1軍の舞台を経験しないまま、プロ野球の世界を去る選手も多いのが現状です。
その一方で、支配下登録を勝ち取り、1軍で活躍する選手がいるのも事実です。
例えば、ソフトバンクの周東選手は、2023〜2025年と3年連続盗塁王、2024年・2025年と2年連続でベストナイン・ゴールデングラブ賞を受賞するなど、今では日本を代表する野球選手の中の一人ではないでしょうか。
これからも注目していきたいですね。
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