プロ野球のレギュラーシーズン(ペナントレース)143試合が終わると、上位3チームで日本シリーズの出場をかけて「クライマックスシリーズ(CS)」が行われます。
2024年のクライマックスシリーズは10月12日(土)から2位vs3位の1stステージが行われます。
当記事ではクライマックスシリーズについて
- クライマックスシリーズの仕組み・ルール
- 上位チームのアドバンテージ
- 2位・3位チームのクライマックスシリーズ突破(優勝)の確率
などを解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
クライマックスシリーズとは
クライマックスシリーズは日本シリーズの出場をかけて、上位3チームが出場するプレーオフ制度です。
2004年からパ・リーグが「プレーオフ」という名称で行われ、2007年からセ・リーグでも行われるようになり、現在の「クライマックスシリーズ」という名称になりました。
クライマックスシリーズは、2位vs3位の「1stステージ」、リーグ優勝チームvs1stステージ勝利チームの「ファイナルステージ」の順に行われます。
2024年のクライマックスシリーズは以下の日程で行われます。
- 1stステージ(最大3試合)
10月12日(土)~10月14日(月)
→先に2勝したチームがファイナルステージ進出 - ファイナルステージ(最大6試合)
10月16日(水)~10月21日(月)
→先に4勝したチームが日本シリーズ進出
セ・リーグもパ・リーグも同じ日程で行われます。
クライマックスシリーズのルール
つづいて、クライマックスシリーズのルールを紹介します。
- 1stステージは3戦2勝制
- ファイナルステージは6戦4勝制
- 全試合上位チームの本拠地開催
(上位チームが後攻) - 予告先発あり
- 指名打者制はレギュラーシーズンと同じ
- 出場登録できる選手は31名まで
(レギュラーシーズンと同じ) - 延長は12回まで
- 対戦成績が五分となった場合、上位チームが勝ち抜け
それぞれ詳しくみてみましょう。
1stステージは3戦2勝制
1stステージは3試合制で、先に2勝したチームがファイナルステージに進出します。
第2戦で決着がついた場合、第3戦は行われません。
ファイナルステージは6戦4勝制
ファイナルステージは最大6試合で行われ、先に4勝したチームが日本シリーズ進出します。
リーグ優勝チームには1勝のアドバンテージが与えられます。そのため、優勝チームは実質3勝すれば日本シリーズに進出します。
ファイナルステージは最短で第3戦、最長で第6戦まで行われ、決着がついた場合はそれ以降の試合は行われません。
全試合上位チームの本拠地開催
クライマックスシリーズは、全試合上位チームの本拠地で開催されます。
- 1stステージ
リーグ2位チームの本拠地 - ファイナルステージ
リーグ優勝チームの本拠地
ホーム開催できる上位チームの方が応援してくれるファンの数が圧倒的に多い、野球で一般的に有利な後攻になるというメリットがあります。
また、興行面の話になりますが、本拠地開催球団に入場料・飲食・グッズ売上収入が入るというメリットがあります。
予告先発あり
クライマックスシリーズでもレギュラーシーズン同様に予告先発があります。
翌日の予告先発が発表されるタイミングが、セ・リーグとパ・リーグで異なります。
- セ・リーグ:試合開始前
(レギュラーシーズンと同様) - パ・リーグ:試合終了後
パ・リーグの場合、翌日の予告先発が試合終了後となるので、当日の試合結果(内容)に応じて翌日の先発投手が変わることもあります。
出場できる選手
クライマックスシリーズに出場できるのは8月31日時点で支配下登録されていて、クライマックスシリーズの時点で引き続き支配下登録されている選手です。
出場登録できる選手は31名まで、ベンチ入りできる選手は26名までです。
これは、レギュラーシーズンと同じです。(2024年シーズン)
全選手の出場登録抹消
レギュラーシーズン最終戦からクライマックスシリーズ初戦まで間が10日以上空く場合、自動的に全員登録抹消となります。
そして、クライマックスシリーズ第1戦で再度出場登録されます。
2023年は、セ・リーグ1位の阪神と2位の広島が一度全選手の出場選手登録が抹消されました。
指名打者(DH)制
クライマックスシリーズの指名打者(DH)制はレギュラーシーズン同様に、パ・リーグのみ採用されます。
- セ・リーグ:指名打者制なし
- パ・リーグ:指名打者制あり
延長12回まで
延長はレギュラーシーズン同様に12回まで行われ、12回裏終了時点で同点の場合、引き分けとなります。
ただし、上位チームが引き分け以上で勝ち抜けが決まる試合では、12回表の時点で同点の場合、12回裏は行われず、引き分けコールドとなります。
対戦成績が五分となった場合、上位チームが勝ち抜け
クライマックスシリーズでは、各シリーズの対戦成績が五分となった場合、上位チームが勝ち抜けとなります。
上位チームの場合、引き分けは勝ちに等しく、かなり優位に立ちます。
例えば、1stステージの場合、2位のチームが1勝1敗1分もしくは3分になった時点で、ファイナルステージ進出が決定します。
これまで一度もありませんが、3分となった場合、2位チームが1勝もせずにファイナルステージに進出する可能性もあります。
1stステージの日程
2位vs3位の1stステージは、10月12日(土)から始まります。
10月12日(土)~10月14日(月)
予備日:10月15日(火)
1stステージの対戦カード
2024年の1stステージの対戦カードは以下のとおりです。
- セ・リーグ
(2位)vs(3位)
試合会場: - パ・リーグ
(2位)vs(3位)
試合会場:
ファイナルステージの日程
10月16日(水)から始まるファイナルステージではリーグ優勝チームと1stステージ勝利チームが日本シリーズの出場をかけて競い合います。
10月16日(水)~10月21日(月)
予備日:10月22日(火)・10月23日(水)
ファイナルステージの対戦カード
2024年のファイナルステージの対戦カードは以下のとおりです。
- セ・リーグ
(1位)vs(1stステージ勝者)
試合会場: - パ・リーグ
(1位)vs(1stステージ勝者)
試合会場:
クライマックスシリーズの視聴方法
クライマックスシリーズは1sステージ・ファイナルステージともテレビ・ネットで中継があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
上位チームのアドバンテージ
クライマックスシリーズでは、リーグ優勝チームに1勝のアドバンテージが与えられるなど上位のチームに有利な仕組みがあります。
リーグ優勝チーム
リーグ優勝チームはファイナルステージでの1勝のアドバンテージが与えられます。
つまり、日本シリーズへの進出するためにリーグ優勝チームは3勝、1stステージから勝ち上がったチームは4勝必要となります。
また、ファイナルステージの勝敗数が同じになった場合は、リーグ優勝チームが日本シリーズへ進出します。
(例えば3勝3敗1分など)
リーグ優勝チームは、ファイナルステージ全試合ホーム球場で戦える点でも有利です。
2位チーム
2位チームは、リーグ優勝チームのように1勝のアドバンテージはありませんが、1stステージ全試合ホーム球場で戦えるアドバンテージがあります。
また、1stステージの勝敗数が同じになった場合、2位チームがファイナルステージに進出します。
2位、3位からの日本シリーズへの進出(下剋上)
クライマックスシリーズでは、リーグ優勝を逃した2位、3位のチームでも、クライマックスシリーズを勝ち上がれば日本シリーズに進出できます。
2位や3位のチームがリーグ優勝チームを倒して日本シリーズに駒を進めることを下剋上と呼ばれています。
レギュラーシーズン2位・3位のチームが日本シリーズに進出したのは、セ・パ両リーグあわせて過去8回あります。
- 2007年 中日(2位)
(1位は巨人) - 2014年阪神(2位)
(1位は巨人) - 2017年DeNA(3位)
(1位は広島)
セ・リーグは2007年から2023年までの間、1位チームが13度、2位・3位チームが3度日本シリーズに進出しています。
下剋上の確率は3/16(約18.8%)とそれほど高くなく、下位チームの出場は難しいことがわかります。
また、セ・リーグのリーグ1位チーム以外で日本一になったのは、2007年の中日ドラゴンズだけです。
- 2004年西武
(1位はダイエー) - 2005年ロッテ
(1位はソフトバンク) - 2010年ロッテ
(1位はソフトバンク) - 2018年ソフトバンク
(1位は西武) - 2019年ソフトバンク
(1位は西武)
パ・リーグは2004年から2023年までの間、1位チームが15度、2位・3位チームが5度日本シリーズに進出しています。
下剋上の確率は5/20(約25%)と、セ・リーグ同様に下位チームの出場は難しいことがわかります。
パ・リーグは、クライマックスシリーズで勝ち上がった場合、5回とも日本一となりました。
特に2010年のロッテは、レギュラーシーズン3位から日本一となり、「史上最大の下剋上」と呼ばれました。
クライマックスシリーズのしくみ・ルール|よくある質問
最後にクライマックスシリーズ(CS)のしくみ・ルールでよくある質問をまとめました。
2024年のクライマックスシリーズはいつからいつまで?
1stステージが10月12日(土)〜10月14日(月)、ファイナルステージが10月16日(水)〜10月21日(月)です。
クライマックスシリーズはどこで行われる?
1stステージが全試合2位チームの本拠地、ファイナルステージが全試合リーグ優勝チーム本拠地で行われます。
1stステージで何勝すれば、ファイナルステージ進出?
1stステージは2勝すれば、ファイナルステージに進出します。
ファイナルステージで何勝すれば、日本シリーズ進出?
ファイナルステージは4勝すれば、日本シリーズ進出が決定します。
リーグ優勝チームは1勝のアドバンテージが与えられるので、実際は3勝すれば日本シリーズ進出が決まります。
クライマックスシリーズは延長何回まで?
クライマックスシリーズは延長戦は12回までで、決着がつかない場合は引き分けとなります。
クライマックスで引き分けコールドになるのは?
上位のチーム(後攻チーム)が勝ち抜けに王手がかかっている試合で、以下の場合引き分けコールドとなります。
①12回表終了時点で同点だった場合
②12回裏の攻撃中に同点に追いついた場合
クライマックスシリーズは引き分けは上位チームに有利なの?
クライマックスでの引き分け試合は、上位チームにとって有利となります。
例えば1stステージの場合、第1戦で引き分けると、2位チームは残り1勝すればファイナルステージ進出が決まります。
クライマックスシリーズでリーグ2位、3位のチームが日本シリーズに進出したことは?
2位、3位チームが日本シリーズに出場したことは、セ・リーグが3回、パ・リーグが5回あります。
今回は2024年のクライマックスシリーズの仕組み・ルールをまとめて紹介しました。
クライマックスシリーズもぜひ楽しんでいきましょう。